赤字とは

利益のはなし

赤字とは、
具体的にどういう状態のことでしょうか。

赤字とは、営業利益がマイナスの状態のこと。

つまり、
粗利を超える経費を使ってしまう状態が赤字です。

給料や家賃、販促費などのすべての経費は、
粗利から支払いますから、

赤字になるということは、
粗利だけでは経費が払えず、お金が足りなくなる状態です。

でも、赤字だからといって、
経費の支払いが免除されるわけではないので、

その経費の支払いは、
今まで貯めてきた会社の貯金から補填するか、
それがなければ、社長個人の貯金を使うか、
または借入などして補填することになります。

それもできないとなると、
お金は底をついて、いよいよ会社は潰れてしまいます。

このように、
赤字とは、会社が潰れる前段階のことです。

赤字とはどういうことか。
こういった基本的な構造を理解することが、
強い会社になるためには必ず必要です。

強い会社とは、
必ずしも売り上げばかりを追いかけているわけではありません。

強い会社は、
会社を潰れない状態にすることにも、力を入れています。
どうなったときが会社が潰れるときか、当然知っています。

会社が潰れるのは、
会社に現金がなくなり支払いができなくなったときです。

つまり、
会社の銀行預金残高(現金)が足りなくなり、
取引先への仕入れ代金、従業員の給料や、
店舗事務所の家賃などの経費が支払えなくなることで、
会社は潰れます。

では、現金がなくなる主な原因は、
どこにあるでしょうか?

1、売り上げが減る

2、粗利が減る

3、経費が増える

この3つが主な原因です。

これらの原因によって、
営業利益がマイナス(赤字)の状態になり、

預金を食いつぶし続けることにより、
最終的に現金が不足し、会社が潰れることになります。

この状態になると、
みなさんがやってしまうのが、

「売上を増やす」努力です。
売上を増やせば、粗利も増えて営業利益も増える。
だから赤字が黒字になると思い込み、
あの手この手で、必死に売上をとりにいきます。

実は、この努力が命取りになることを、みなさんは知りません。
売上をとりに行くと、多くのケースで、金が減ることになります。
自分から会社を潰しに行っているようなものです。

なぜ売上をとりに行くと、金が減るのか。

売上を上げるためには、まず先にお金を使うことになるからです。

・売るための商品を仕入れるのに、金がかかります。

・仕入れた商品も売れ残ることにより、粗利が稼げず、
経費だけ出ていくため、金が減ります。

・売るために広告販促にも力を入れるので、金がかかります。

・売上を上げるために値引きをします。
値引きをした分の粗利が減ります。
販売数が増えれば粗利も増えますが、
ほとんどの場合販売数量が伸びないため、金が減ります。

・売上を上げるために、あの手この手の作業を増やすします。
作業が増えると労働分配率が上がるため、赤字になります。

このように、目先の売上を小手先であげようとすると、
必ず金が減ります。
このことを知らない人は、
必ず売上を増やしに行って、金を減らしてしまいます。

例えば、
JAL(日本航空)が過去に倒産しましたが、
立て直しの際に、何をしたか覚えていますか?

売上を減らしたのです。

売上を上げるのではなく、
売上を自分から減らして、
利益を確保しにいったのです。

赤字の路線は廃止することにより、
売上は減るけれども、固定費も減る。

固定費が減ると、
損益分岐点売上高(利益も損失もプラスマイナスゼロの状態)が低くなるため、
利益が出やすくなります。

部門ごと、店舗ごと、商品ごとに見直し、
営業利益が上がらない売上は捨ててください。

売上が減ると、
会社としての見栄えが悪くなると言う方がいるかもしれませんが、
そこは少し我慢してください。

売上がたくさんあるのに赤字の会社より、
売上が少なくても、しっかりと黒字の会社のほうが、
全然かっこいい。

慢性的に赤字の状態というのは、
要するに、
経営が下手ということです。

銀行も赤字の会社への融資には消極的です。
赤字でいいことなどひとつもありません。
黒字で利益を確保して、
じっくりと次の売上のための準備をする。

これが正しいやり方です。

売上とは、
長期的視野で計画的にあげていくものです。
そもそも売上を上げるには、
金と時間がかかるものだということを、
理解しておいてください。

みなさんも知識を増やして、
赤字にならない体質の、強い会社にしていきましょう。

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