労働集約型ビジネスのリスク

利益のはなし

多くの中小企業が
労働集約型ビジネスに参入しています。

そして、多くの企業が伸び悩み、
大変な苦労をしています。

労働集約型ビジネスとは、
人の作業が商品そのものになっている
サービス業などのビジネスのこと。

代表的な業種では、
美容室、マッサージ、ネイルサロン、
マツエクサロン、清掃、引っ越し、
介護など、その他にも多数あります。

これらの商売は参入するハードルが低いため、
零細企業や個人事業者がとても多いのが特徴です。

そしてその零細企業が、
何年経っても零細企業のままであるのも、
労働集約型ビジネスの特徴です。

なぜ何年経っても、
零細企業のままなのでしょうか。

それは、
労働集約型ビジネスが儲かりにくい
ビジネスの構造になっているからです。

大手企業が参入しないのも、
儲かりにくいことが理由です。


労働集約型ビジネスは規模拡大が難しい

労働集約型ビジネスが儲かりにくいのは
主に下記の理由が考えられます。

・競合他社が多い
・価格競争になる
・作業が伴うため客数をこなせない
・粗利に対する人件費の割合が高い
・技術(作業)の習得に時間がかかる
・従業員の離職率が高い

この商売が儲かりづらいということは、
商売の特性上明らかです。

そのため企業規模拡大(売上高の増大)には
とても時間がかかります。

特に美容業をはじめとする来店型サービス業に
売上高規模の大きい会社がほとんどないのは、
こういった理由によるものです。

労働集約型ビジネスのあるある

これらの特徴を踏まえて、
労働集約型ビジネスがどうして儲かりにくいのかを、
よくある流れを例にして、詳しく解説します。

まず、労働集約型ビジネスは参入しやすいので、
まわりに競合店が増えます。

競合店が増えると必ず価格競争になります。

価格競争に巻き込まれ、売価を下げることにより、
売上総額が減ります。

売価を下げたことにより、
売価を下げる前の売上総額を獲得するには、
今まで以上に商品を数多く売らなければなりません。

しかし、その都度の施術という、人の手による作業を伴う商品のため、
施術の数をこなすことができず売上総額は増えません。

減ってしまったその少ない売上の中から、
人件費やその他経費を払って、
利益(営業利益)を残さなければなりません。

それでも営業利益を残すために、
経費(家賃、人件費、広告費、その他管理費)の
削減をはじめます。

どの経費を削減するか悩んだ結果、
経費の大半を占める人件費を
なるべく低くおさえようと決断します。

しかし人件費をおさえることで、
従業員の離職率が高くなります。

価格を下げたことによって儲けの少ない作業ばかり増えて
さらに現場が忙しくなって体への負担が増えたにも関わらず、
給料が増えることがないため、
従業員のモチベーションも下がり
ゆくゆくはその店に見切りをつけて離職していきます。

店側は離職の穴を埋めるために、
求人活動をはじめます。

求人活動によって発生するコストと、
その間の機会損失によって
さらに営業利益が削られます。

求人活動によって入社した新入社員への研修は
主に店長が担当することになります。

店長も普段は施術に入っていますから、
店長が本来売り上げるべき売上が
研修の時間中は0円になり、
売上の大きな機会損失が発生します。

それによってさらに売上が減少します。
売上が減っても固定費は変わらず払う必要があるため
またまたさらに利益が削られます…。

会社にキャッシュが残らないため、
次の投資をすることができず、
売上も店舗数も何年経っても横ばい、
という会社がほとんどです。


といった流れが、労働集約型ビジネスの実態です。
多くの店が、この流れを来る日も来る日も繰り返しています。

利益がほとんど残らないので、
当然次の店を出店することはできません。

なんとか営業利益が残せたとしても、
当初の計画していた数字を下回るケースが多く、
次の店舗の出店は計画通りに行くことはありません。

そうこうしているうちに、
近所に競合店ができたり
従業員が離職したりして、

また上記のようなロスを
繰り返すことになります。

このように、
収益性の低さが原因で、
出店、出店、出店、とテンポよく
企業規模を拡大していくことが
とてもむずかしいのが、
労働集約型ビジネスの大きな特徴です。

さらに、
今後は政府が発表しているとおり、
最低賃金の高騰が続いていきます。
東京は3年後には1100円台に突入します。

売価は変わらないのに、人件費だけ確実に上がっていき、
さらに営業利益は圧迫されていきます。
早く手を打たないと、
ますます利益が出しづらくなってきてしまいます。

あなたのお店の現状は、
どうでしょうか。

はじめは、情熱と気合いでスタートしたものの、
何年も変わらずに伸び悩んでいる会社が多いというのが、
この労働集約型ビジネス業界の特徴です。

そして何より、
労働集約型ビジネスの最大のリスクは、
そこに足を踏み入れてしまった経営者が、
何年何十年もの間このような悪循環から抜け出せずにいること
なのではないかと思います。

でも、安心してください。
あなたのお店の利益を増やす方法、
その悪循環から抜け出す方法は
まだまだたくさんあります。

このブログでは、その方法について、
あらゆるテーマから解説しています!

ぜひ参考にしてみてください。

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