従業員が定着しないという方へ

組織のはなし

なぜ定着しないのか

組織でビジネスをするうえで、
従業員の存在はとても重要です。

組織が小さければ小さいほど、
従業員1人あたりの役割が大きいので、

辞められてしまうと
とても大きなダメージを受けます。

日常の業務に支障が出ますし、
売上にも大きな影響が出ます。

お店や会社の存続さえも危ういという
状況になることもめずらしくはないでしょう。

来店型サービス業であれば、
例えば美容師やネイリストなどが1人辞めれば
その1人が上げていた売上は0円になります。

飲食業であれば、
調理担当者が辞めてしまえば、
料理が出せなくなるので店自体が成り立ちません。

辞められてしまったとしても、
すぐに代わりの人を補充できればまだ良いのですが、

今はどこの会社も人不足で困っていて、
簡単に補充できる状態ではありません。

そんなリスクをわかっているので、
きっとあなたは何かしらの手を打って

従業員さんを定着させようとしている
のではないでしょうか。

それなのに、
どうして従業員さんは
あなたの会社で長続きしないのでしょう。

答えはシンプルです。

それは、
あなたの会社で働き続ける理由がないからです。

従業員さん1人1人にも、
それぞれの人生があります。

彼らは彼らの人生の主役ですから,
自分のことを一番に考えます。

このままあなたの会社で働き続けたとして、
自分にどんなメリットがあるのかを
いつも確認しています。

やりたい仕事なのか、
将来の役に立つのか、
給料が高いのか、
作業がラクなのか、
勤務時間が短いのか、
人間関係が良いのか、
尊敬できる社員がいるのか、
家が近いのか、などなど。

これらのメリットと、
まわりの会社や友人の情報とを比べながら、
この会社で続けるべきかを
考えながら働いています。

辞めるということは、
あなたの会社よりも魅力がある会社を
ほかに見つけたか、

あなたの会社に
これ以上自分の時間を捧げる価値はないと
見切りをつけられたか、

このどちらかではないでしょうか。

どうすれば定着するのか

従業員の定着率を上げるには、
あなたの会社で働き続けるための、
理由と仕組みをつくることが必要です。

それによって、
定着率が大きく変わってきます。

定着率の高い会社、求職者に人気のある会社は、
必ず行っていることです。


コーポレートロイヤリティを作る

まずは、
従業員さんがあなたの会社で働く理由
(コーポレートロイヤリティ)を
しっかりと作ってください。

人がその会社で定着するかどうかは、
大きく5つのテーマがあります。

このテーマをより多く満たしている会社が
定着率が高い会社です。

1、職務内容
やりたいことか、意味があることか

2、利便性:
自宅から近いか

3、拘束時間:
拘束時間が長くないか

4、不快感:
社内で不愉快を感じていないか

5、給料:
成果に応じた給料が約束されているか

やりたくない作業を来る日も来る日もやらされたり、
作業に意味ややりがいを感じなかったり、
社内での人間関係などに問題があり、毎日不愉快に感じたり、
給料や待遇に不満を感じたり、
といった理由が定着率に大きく影響してきます。

例えば、
こんな会社があったら、
あなたなら従業員の立場として
続けていけると思うでしょうか。
5つのテーマにあてはめてみます。

1、職務内容 → やりたくない仕事を、
2、利便性 → 自宅から遠い片道1時間の会社で、
3、拘束時間 → 拘束時間は長く毎日残業2時間で、
4、不快感 → 不愉快な社員に囲まれている環境で、
5、給料 → 成果に見合わない給料の金額、

このような会社で働いていたとしたら、
あなたはどうですか?
ここで続けられそうですか?
これで続くほうが奇跡ですよね…(汗)

でも、このような会社は、
実際たくさん存在しているように感じます。

あなたの会社では、これら5つのテーマが
どのように整備されているのか
あらためて見直してみてください。

この5つのうち、

1つでも良い方向に変えることができれば、
今よりも定着率を上げることができます。


行き先を伝える

組織を運営する上で絶対に必要なことは、
従業員のみなさんに、会社の目指すところを伝えることです。

そして、経営者としてあなたが会社をどうしていきたいか、
どう考えているかをできる限り伝えるようにしてください。

そこにたどり着くことで、
従業員さんの人生にとって
どんなメリットがあるのかも伝えてください。

あなたの会社を船に例えるとします。
従業員のみなさんは、
来る日も来る日もひたすら船を漕いでいますが、
船長のあなたに行き先を教えてもらっていません。
明日も明後日も、行き先もわからないまま
全力で船を漕ぎ続けます。

こんな状態でこの先ずっと船を漕ぎ続けられる人のほうが
珍しいですよね。

多くの経営者は、
会社をこんな状態にしていることに気づかず、
従業員が定着しないと嘆いているのです…。

伝える内容はどんなものでも構いません。
まずは伝えるということが重要です。

内容としては、例えば、
「5年後に売上高を30億円にする!」
のように、期限と売上のことを伝えるとか、

「3年後に店舗数を15店舗に増やす!」
のように、期限と店舗数のことを伝えるとか、

より具体的に伝えるならば、例えば、
「5年後には50億を目指す。そうなると社員数が100人になる。
現在のメンバーから5人を幹部に昇格させる。
商品開発、人材開発、財務担当、
経営企画、プロモーション担当の各責任者で、年収1000万円を予定している。
お客の困りごとを解決することで社会に貢献し、会社を成長させ、
従業員のみんなと豊かになりたいと考えている。
みんなの力が必要だ。ぜひ一緒にがんばってほしい。」
などです。

伝える際のコツは、
・期限や状態など、できるだけ具体的であること
・数字で表現していること
・なぜそこを目指すのかを説明できること。

従業員さんにとってわかりやすく、
イメージがしやすいものほど効果があります。

従業員のみなさんは、
社長の考えや会社の行き先と
自分の将来とを重ね合わせて考えることにより、
やりがいやモチベーションにつなげています。

伝え方は、どんなかたちでも問題ありません。
経営計画発表会を開いて発表したり、
全体ミーティングや朝礼などで伝えたり、
個別の1対1の面談で伝えたりと様々ですが、
とにかく具体的に何回も伝えることが効果的です。

たった1回ではなく、何回も、です。


昇給プログラムと教育カリキュラムを作る

従業員のみなさんにとって給料は、
人生を豊かにしていくために必要なものです。

給料が従業員が定着する理由の全てではありませんが、
大きな要素であることは間違いありません。

大切なのは、
現時点での給料の金額の大きさではなくて、

この先の昇給の基準が明示されていて、
公平性があること。

今後の昇給について
会社の基準を具体的に示すことが
モチベーションにもつながります。

例えば、
今はこのA作業しかできないから時給1000円
B作業ができるようになると時給1300円
C作業ができるようになると時給1500円

など、具体的に昇給プログラムを作ってみてください。

そしてそれを従業員さんに明示してください。
それがあれば次の昇給を目指して
必ず作業に集中してくれます。

あわせて、教育カリキュラムも必要です。

A作業、B作業、C作業と、
それぞれ自然とできるようになるわけではありません。
上司や先輩社員から教えてもらう必要があります。

教える場をもうけずに、
見て覚えろ的なやり方はNGです。

個人ごとの作業のクオリティに差が出ますし、
結果が出るまでに時間がかかってしまいます。
作業の段階ごとのカリキュラムを作って、
それを教えるための時間もしっかりと確保してください。

以上、
定着のための仕組み化について
ここまでのことをおさらいしますと、

・あなたの会社で働きたい理由を整備する。
・会社の目標(行き先)を社内で周知する。
・そこにたどり着いたときの従業員のメリットを伝える。
・目標にたどり着くために必要な作業を明確にする。
・結果に応じた昇給制度とそのための教育システムを整備する。

そのすべてが噛み合うことで仕組み化され、
従業員の定着と会社の成長につながっていきます。

これは本当にそのまま成果が出ます。
このとおりにやってみてください。

おもしろいほどに、良い方向に進みます。

ぜったいにおすすめです!

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