納税すれば、お金が貯まる。

利益のはなし

ビジネスの活動をして利益が出ると、
誰もが避けたい納税がやってきます。

利益の金額に対して、
一定の割合を納めることになるので、
利益がたくさん出れば出るほど、
税金の額も増えていきます。

1年間一生懸命がんばって手に入れた
貴重な利益ですから、
そこからたくさん税金で持っていかれるのは
できれば避けたい、
と思うのは当然の気持ちです。

でもこの税金に対しての考え方が、
会社が成長するかしないかの、
大きな分かれ目になるのです。

シンプルに言うと、

成長する会社は、
積極的に納税します。

成長しない会社は、
とにかく納税を避けようとします。

納税する意味

なぜ成長企業は、積極的に納税するのか。
それは、手元にお金(現金)を残すためです。

なぜ手元に現金を残すのか。
会社が成長していくためには、
現金が必要だからです。

会社の成長、
つまり売上高規模を大きくしていくためには、
店舗を増やしたり、人材に投資していく必要があり、
そのためには、多額の資金が必要になります。

また想定外の事態に備えるためにも、
潤沢な資金を蓄積しておく必要があります。

ではそういった資金は
どこからもってくるのか。

自社で用意するか、
または外部からもってくるかのどちらかです。

自社で用意するためには、
まず利益を出す必要があります。

しかしせっかく利益が出たとしても、
その金額すべてを貯めてとっておくことはできません。

利益から税金を差し引いて、
残った現金(税引き後当期純利益)を、貯めていくことになります。

利益が出たからといって無駄な節税をして、
貴重な現金を使ってしまうと、
納税額は減らせるかもしれませんが、
手元に現金が残らなくなるので注意が必要です。

会社を経営する上で理解しておきたいのは、
納税をしたあとの現金しか、
会社に残せるお金はないということです。

さらに好きなときに自由に使えるお金も、
納税したあとの現金だけです。

つまり、
会社に現金を貯めていくには、
納税は避けられないのです。


外部から資金を調達する場合も、
納税が大きな意味を持ちます。

外部からの資金調達で最も代表的な方法は、
銀行からの借り入れです。

自己資金では足りない分を、
銀行に借りることになりますが、
銀行はこちらの欲しい金額を
いくらでも貸してくれるわけではありません。

過去3年分の決算書を見て、
どれだけの利益を出しているか、
貸した金額を無理なく返済できる力が
この会社にあるのか、を確認します。

そこでしっかりと利益を出し、納税をして、
税引き後純利益を着実に残すことができているならば、

「この会社はしっかり利益を出しているから、
この額を貸してもちゃんと返済してくれるだろう」と、
融資の審査も通って、
銀行からの資金調達に成功することになります。

納税をして税引き後純利益を残すことは、
自己資金が貯まるだけでなく、
金融機関に対しての信用も増えるので、
借り入れの際の審査にもとても有利になります。

納税とは、コスト

成長する会社は、積極的に納税しています。
納税すると利益からかなりの金額を
もっていかれることになりますが、
手元に残る現金もしっかり増えて、さらに銀行への信用も増えるのです。

納税とは、
手元の現金と信用を増やすために必要な「コスト」だということを理解し、
会社の成長のために、資金対策をすすめていきましょう。

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