その借金、本当に返せますか?

利益のはなし

あなたは、
ビジネスで借金をしていますか?
何年後に返済が終わる予定ですか?
本当にその通りに返せますか?

今日は借金について解説したいと思います。

借金が返せないとか
借金で苦しい思いをしている
という話を耳にします。

どうして多くの人が
借金に苦しめられているのでしょうか?

・売上を上げられないから?
・利益を増やせないから?
・経費を減らせないから?

もちろん
それもあります。

間違いではありませんが、

一番大きな理由は、
もっと根本のところにあります。

借金に苦しめられてしまう
根本的な理由
それは、
「自社の返済能力を知らないから」
です。

それを知っていれば、
借り入れをする前段階で、
正しい選択ができます。

たったそれだけで、
この先何年何十年もの間
借金返済で苦しまずに済むのです。

借金が悪い
ということではありません。

ビジネスをスタートさせるためには、
必要な借金もあります。

スタートしたビジネスを
無理なく進めていくためにも、

いくらまで借りていいのか、

いつまでに返せばいいのか、

どこの利益から返すのか、

それを知っておく必要がある
ということです。

それを知らないために、
返済能力以上の借り方をしてしまい、
苦しむことになります。

自社の返済能力がどのくらいなのかを
まずはしっかりと把握したうえで、
借り入れ金額と返済計画を
決めていきましょう。


自社の返済能力

まずは以下の公式に
あなたの会社の数字を
当てはめてみてください。

固定長期適合比率=
投資金額÷(年間税引き後純利益×返済年数)+自己資金

これは、
いくらまで投資できるか、
いくらまで借りられるか、
を計算する公式です。

たとえば、
投資金額1000万円でビジネスを
スタートさせるとします。

この資金は、
全額借り入れするとします。
希望返済年数は8年、
そのビジネスでの税引き後純利益は
年間100万円を見込んでいます。
自己資金は0円です。

これを上の公式にあてはめて計算すると、
1000万円を8年で返済できないことがわかります。
この計算をしないで借りてしまうと、
あとになって返済できないことに気づいて
苦しみを味わうことになってしまいます。

返済を可能にするには、
式の結果を「1」以下にする必要があります。

1を上回るようであれば、
投資金額を減らすか、
返済年数を増やすか、
自己資金を増やすかして、
1以下になるように調整してください。

それがあなたの会社の
返済能力です。

借入金は税引き後純利益から返済する

なお、式の中の
年間税引き後純利益
これが分からないと
この式が成立しません。

借入金とは、
この税引き後純利益から返済する
という基本を
まずは知ってください。

意外と知らない人が多いので、
以下に簡単に解説します。

借入の返済元金は経費ではありませんので、
粗利から返済するものではありません。

以下の式のように、
お客さんから受け取った売上から
あらゆるものを差し引いて、
最後に残るのが税引き後純利益です。

税引き後純利益とは
以下の流れで算出します。
売上ー売上原価=粗利益
粗利益ー経費=営業利益
営業利益ー税金=税引き後純利益
(※小規模企業では、営業外損益と特別損益は影響が小さいため、
経常利益・税引き前純利益は省いてシンプルに説明しています。)

返済金は
この税引き後純利益の金額から
引かれるのです。


税引き後純利益とは

上記でも説明した
自社の返済能力を知るための公式、

固定長期適合比率=固定投資÷年間税引き後純利益×返済年数+自己資金

この中の「年間税引き後純利益」の数字が
分からなければ、
ここの式が完成しません。

税引き後純利益は、
あなたのお店の以下の数字が分かれば
算出できます。

客数
客単価
粗利益率
経費総額
税率

これらが分かれば、
以下の流れで税引き後純利益を
算出してください。

客数×客単価=売上高
売上高×粗利益率=粗利益高
粗利益高ー経費総額=営業利益高
営業利益高×税率=税引き後純利益

この税引き後純利益が
正確な数字かどうかは、

上記のとおり
売上高や粗利益率、

そして経費総額などの
正確さが求められます。

つまり
あなたのビジネスの計画が
計画したとおりの客数が取れて、
しっかり利益を残すことができるのかが
問われるのです。

ここで算出された
税引き後純利益の数字を
固定長期適合比率の公式に
当てはめて計算してみてください。

そして
その計算が「1」に収まる範囲内で
借り入れをしてください。

何も根拠がない状態で借り入れをすると
あとになってから計画通りに返済できないことに気づきます。
「そうなったら頑張って売上を増やして返済すればいい!」
ではダメです。

頑張っても売上は増えませんし、
むしろお金は減ります。
税引き後純利益は絶対に増えません。

税引き後純利益を増やすためには、
営業利益を増やす必要があります。

営業利益を増やすには、
経費をコントロールするか
粗利益を増やさなければなりません。

でも、
粗利益を増やすには、
売上を取りに行ってはいけないのです。
(これについては別の記事で説明しているので、
そちらを参照ください)

正しく手を打てば、
税引き後純利益をなんとか増やすことが
できる場合もありますが、
レベルの高い経営技術と
かなりの時間、
そしてお金がかかります。

それならば、
借り入れをする段階で
ちゃんと計算したうえで、
無理のない借り入れ金額でスタートしたほうが、
よっぽどラクですし
必要以上に借金に苦しまずに済みます。

あなたの残りの人生の
大切な時間が、
借金の返済に振り回されてしまうのは
切ないですよね。

そうならないためにも、
正しい知識を身に着けていきましょう!


それでは、今日はこのへんで。

さようなら。

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