正しい粗利益の増やし方 2-2(ロス対策)

利益のはなし

●機会損失によるロス

粗利益のロスとは、
大きく分けて2つあります。

1つは、
売上原価を押し上げるロス

もう1つは、
「機械損失によるロス」


今回は2つめの、
「機会損失によるロス」
についてです。

機会損失とは、
その商品を欲しい客はいるのに、
店がそれに対応できずに
その客を逃してしまっている状態のこと。

この機会損失によって、
大切な粗利益を逃していることが
とても多くあります。

そこに商品があれば、
お客さんは購入していたのに、

欠品や発注ミスによって、
お客さんが欲しい商品を
そのときに販売できない。

棚に並んでなかったり、
材料の在庫切れで

提供できなかったりなど、
店側の準備不足で
販売の機会を逃してしまうという、
とてももったいないケースです。

これを防ぐだけで、
確実に売上を確保でき、

その売上にくっついてくる
大切な粗利益を獲得できます。

機会損失を防ぐには、

この場合は、
以下を徹底して改善してください。

・データ蓄積
・受発注管理
・実地棚卸し

(データ蓄積)
どのタイミングで
どのくらいの受注があったか
過去のデータを蓄積し、

(受発注管理)
それをもとに
発注はいつどのくらい必要かを判断し、

(実地棚卸し)
実際の在庫はどのくらいあるかを常に把握する

これをしていくことで、
この欠品や発注ミスが原因の
機会損失を減らすことができます。


サービス業での機会損失

ネイルサロンやヘアサロン、
エステなど来店型サービス業でも、
機会損失が起こります。

客数とスタッフ数のミスマッチによる
機会損失です。

たとえばネイルサロンの場合、
土日がお客さんの予約が多い日です。

お客さんが多く来る日にネイリストの出勤が少なく、
お客さんの少ない日にはネイリストが多く出勤すると
客数とスタッフ数のミスマッチが起こります。

このミスマッチが起こらないように
客数に合わせて
ネイリストを配置することができれば、

機会損失を減らすことができ、
粗利益はぐんと増えます。

しかし、
ネイリストを配置できていても、
そのネイリストが
お客さんの希望するメニューに対応できない
技術不足のネイリストだったとしたら、
この場合も機会損失を生んでしまい、
粗利益を失ってしまいます。

この機会損失を防ぐ対策は、
・稼働計画の精度を上げること、
・教育訓練の徹底

です。

稼働計画(シフト作成)の精度が上がれば、
機会損失が減ります。

そのためには
まず過去の客数データを参照してください。

その客数に合わせて
適正なスタッフ数を配置してくだい。

雇用契約内容の見直しや、
フルタイム社員とパートタイム社員の
シフトのバランスを見直したり、
希望休のルールの見直しなどをしてください。
営業時間を変更するのもありです。

これらによって
稼働計画の精度を上げて
適正なスタッフ数を配置してください。

教育訓練の徹底によっても
機会損失が減らすことができます。

店舗全体で
対応できる施術メニューが増えれば
客数も増えます。

新人スタッフはベテランスタッフに比べて、
対応できる(施術できる)メニューが少なく、
その分受けられる客数も少なくなるので、

新人スタッフの対応メニューを増やすことで
機会損失を減らせます。

そのためには、
教育訓練の徹底が必須です。

しかし、新人教育をするには、
ベテランスタッフの時間が取られてしまい、
その時間に得られるはずの売上を
取り逃がしてしまいます。

でもその売上は諦めて、
将来の粗利益獲得のために
何とか勇気をもって決断してください。
ここを乗り越えないと先に進みません。

当社でも、
教育訓練を徹底しています。
店長の売上を捨てて、
新人の技術研修を徹底しています。

短期的には教育訓練によって
売上と粗利は減ることになりますが、
長期的に見れば売上も粗利も増えることになります。

教育訓練は、
粗利益を増やし、さらに会社を強くしていくために、
必ず必要なことなのです。

以上、
2つの機会損失対策を、
みなさんも試してみてください。

粗利益は必ず増えます。
しつこいようですが、

重要なのは売上ではありません。
粗利益です。

もちろん計画的に準備されたなかで
獲得できる売上であれば、

ちゃんと粗利益を連れてきてくれるので
粗利益は順調に増えていきますから、
その売上はとても重要です。

しかし反対に、
ちゃんと計画も準備もしないで、

その場その場でなんとか売上を上げに行っても、
ぜったい粗利は増えません。

必ず今よりも粗利益を
減らしてしまうことになります。

※その理由は下記記事参照

売上を増やそうとすると、粗利益が減る理由 その1
売上を増やそうとすると、粗利益が減る理由 その2

あわてて売上を取りに行こうとせずに、
まずはあなたの会社の現状にマッチした
粗利益対策をしてください。

そのうえで、
次の新しい売上のための
準備をしていくべきです。

そうすれば
粗利益を確実に増やしていけます。

売上がたくさんあっても、
粗利益がなければ何にもできません。

でも
売上は少なくたって
粗利益がたくさんあれば
多くのことができるのです。

それでは最後になりますが、

(アントニオ猪木の顔マネでお願いします)
「粗利があれば、なんでもできる!!」
いくぞー!
1・2・3 ダァーー!

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